僕ら、私らの好きな人は。[ 1 ]
ふじさわ江ノ島花火大会
開催日:2017年10月21日(土)
時間:午後6時~午後6時45分
打上数:3,000発(2尺玉を含む)
打上場所:藤沢市片瀬海岸西浜
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友人から「タケー、10月21日に江ノ島の花火大会があるらしいんだけど行こうぜ」とLINEが送られてきていた。
夏は蝉の鳴き声がうるさくて嫌いだし、あの鳴き声で体感温度が更に上がっているような気がして僕は基本的に日中は外に出ない。
それに日本の夏は湿気が多くて蒸し暑く、汗をかくから嫌いだ。
だから当然、花火大会や祭りと言った夏の風物詩には無縁だったし行ったことも無かった。
『その時期って涼しいよな?』とメッセージを返す。
暇をしているのか連絡を待っていたのか、すぐに返信が返ってくる。
僕は遅れた夏の風物詩を味わいに花火大会に行くことを決めた。
『僕が秘かに恋を抱いている彼女もきっと花火大会に来るだろう』
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「もう夏も終わるねー、夏といえば祭り花火。あーー、彼氏欲しいなーまだ間に合う」
ポテトチップスを咥えて雑誌を観ながら独り言を言う友達の横で私は彼にLINEを送れずにいた。
「で、マオ最近タケくんとはどうなのさ。」
私はびっくりしてケータイを落とす。それをすかさず私の友達がキャッチ。
「どれどれ〜…なんだよ、マオまだ何も送ってないの?」と言いながらケータイを私に返す。
『そんな送る内容思い付かないよ、!』
急に顔が暑くなる。私は好きな人の事を言われるとすぐこれだ。
「そんなマオに朗報です、なんと10月21日に江ノ島で花火大会があるようです。こちらの花火大会、関東第2位に選ばれており時期も時期で涼しい季節なので大変人気なようです、貴君はこれにタケくんを誘うべし!」
とよく分からない口調でつらつらと言い始めた。
『だってタケくん人混みとか嫌いだって前に言ってたよ?』
「もー、マオは奥手なんだから。仕方ない。ここは唯一無二の友人であるこの私がひと肌脱ごうじゃないか!サトルに電話だ!」
サトルくんはこの私の友達であるサエと幼馴染であり、タケくんとも仲の良い友達だ。
『サトルくん経由か〜、それなら来るかな?』
ちょっと偉そうな顔をしながら電話を掛けているサエには腹が立つがそういう所も含めて私はサエのことが好きだ。
そんな事を思いつつも彼に会える口実が出来たので私は花火大会を楽しみにした。